- 小学校高学年から中学生・大人にも読んで欲しい本
- 1960年代の福岡を舞台にした小説
- 国語教科書でもおすすめ
炭坑の町・福岡を舞台にした少年物語
1960年代、父と離れて炭坑の町で成長する昭和の少年を描いた小説。彼らは、身軽で、日に焼けていて、単純で、熱くて、とにかくよく走っていて…そんなあの頃のまっすぐな少年たちの物語。
単純といっても、彼らは決して問題を抱えていないわけじゃなくて、それぞれに生活のこと、父親のこと、未来のこと、いろんな不安を抱えている。それにずぶずぶと引き込まれるではなくて、それでも前に進んで成長していく姿が逞しくて、本来子供ってこういう強さを持ってるのだということを思い出させる。
『ニライカナイの空で』もそんな作品のひとつ。
1963年、父が事業に失敗し新一は東京を追いだされ、福岡の炭坑の町へ。そこで、父のかつての戦友野上源一の元へ預けられることに。慣れない遠地での生活に寂しさや不安を抱えていた新一だが、源一郎の息子竹ちゃんや友だちとの交流を通して、逞しく成長していく姿を描く。
中学生にこういう本も読んでほしいなと思うけれど、なかなか自分では手に取らないだろうから、上手におすすめしていきたいな、と思わされる本。
国語教科書
光村図書中学3年生国語教科書で紹介
この本もおすすめです

森浩美『夏を拾いに』
ギンギンに照りつける太陽、背丈ほども伸びた夏草のむんとする匂い、蝉の大合唱が聞こえてくる、「夏」な一冊。読み終えた後、きっと自分の「夏」を探しに外に飛び出したくなるはず。