修学旅行は学校時代の中でも、人気の高いビックイベント。学校から離れて遠くへ出かけるドキドキと不安。ぜったいいるんだよね、ちょっと羽目を外しちゃうヤツが。
修学旅行が青春の象徴なのは、それが一度きりしかないならなんだ、きっと。
本の紹介
修学旅行間近のゴールデンウィークあけ、二年五組に強烈な転入生がやってきた。膝上二十センチのミニスカートにオーバーニーソックス。頬にかかったふわふわのゆる巻きヘア。
「おまえらなんかと仲良くする気はないから、気安く話しかけんなよ」と言い放つ。
「尊敬させてみろ、そうすれば指導に従う」と担任にくってかかる。
彼女の名前は手代木麗華。
修学旅行が楽しみだというのは、仲のいい友だちがいるやつのセリフだ。班決めで、どこの班にも入れないぼっちたちは、かき集められて”ぼっち班”に括られてしまう。
クラスで浮きまくっているヤバい転入生・手代木麗華、暇さえあればスマホで将棋ゲームばかりしてる「眼鏡」どのクラスにもひとりはいる地味な男子・宮下くん、クラスで一番大人しい女子「美白」、タロット占いが趣味の「タロット」、そして、なにをやってもドンくさいわたし・「ノロ子」。
この中に「みんなで修学旅行を楽しもう!」なんてヤツはいない。
三泊四日京都への旅、スケジュールのほとんどは自由行動なのをいいことに、手代木麗華は、4日間を京都国際マンガミュージアムで過ごす計画を提案するが…。
失うことが怖くて立ち止まってしまうのは簡単だけど、彼らは、前を向いて向き合う強さをもっている。思い出なんて期待していないはずの、ぼっちたちの忘れられない修学旅行を描く連作短編。
キーワード
連作短編・青春ミステリー・青春小説・修学旅行・ぼっち
本の感想
期待していた内容とは違っていたけど、これはこれで面白かった。帯にある「二度読み必至!」に惹かれて読み始めたものの、ところどころで「???」が脳内に現れて放り出しそうになったが、ラストで「むむっ!」っと唸り、すぐに最初に戻りまたページをめくり出す。
途中で「ん?」と混乱しても、できれ後まで読んでみて。最後まで読めば、この物語の奥深さが見えてくる。ぜひ、最後まで読んでこの本の面白さを味わってほしいデス。あんまり言うとネタバレになるので、このへんで。
本をチェックする
単行本、文庫本表紙の女の子のイラストの印象が微妙に異なっていて、どっちもかわいい。
著者:白河三兎
出版社 : 祥伝社
発売日 : 2018/6/13
単行本 : 283ページ、文庫 : 351ページ