違う自分になれたらもっと勇気が持てる気がする。この物語の主人公・ホリーもそんな女の子です。
違う自分になれたら
(BOOKデータベースより)
ロンドンの児童養護施設で育った、14歳の少女ホリー。里親になじめず、学校にも居場所を見つけられずに、いつか故郷のアイルランドにもどって、母親と再会する日を夢見ていた。ある日、ホリーは引き出しの隅にしまわれた、ブロンドのウィッグを見つける。ウィッグをつけると、鏡の中の自分はぐっと大人びて、最高にクールでゴージャスな女の子―サラスに変わっていた。里親のもとを飛び出し、アイルランドめざしてヒッチハイクの旅に出たホリー/サラス。いくつもの出会いをかさね、記憶のかけらをたどりながら、旅の終わりにたどりつくのは、夢に見たあこがれの地?それとも…。
ブロンドのゴージャスガールといえば、いま一番のお気に入りは「ゴシップ・ガール」セリーナ役のブレイクライブリー。ウィッグひとつでこんなにキュートになれるなら、私もかぶっちゃうっ。いや、キュートになるとはどこにも書いていませんが。
でも、ウィッグを被るだけでいまの自分じゃできないことができる気がする、そんな気持ちはわかるよね。
ワイルドでゴージャスになって自分以外の誰かになりきって、里親から逃げてロンドンを飛び出して、きっとこんなはずじゃない「いま」から逃げるホリー。必要だったのは、自分を知る勇気と時間だったのかもしれません。
今の自分は本当は違うんだって思うとき、壁にぶつかったように立ち止まる人は多いのではないでしょうか。でも、本当に家出をするのは心配でたまらないので、まずはこの本でも読んで、ホリーと一緒に旅を感じてみて。
著者・シヴォーン・ダウド
著者シヴォーン・ダウドは、2007年47歳の若さで亡くなりました。この本は、没後に書きためていた小説を出版したもの。もっと作品を読みたいと思わせる作家さんなのに、すごく残念です。現在日本語訳されているものではカーネギー賞受賞作の「ボグ・チャイルド」や映画化もされた「怪物はささやく」の原案者でもあります。
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