- 死ぬつもりでやってきた山奥の民宿で見つけたのはささやかでかけがえのない日々でした
- 毎日に疲れた人に贈りたい瀬尾まいこおすすめの1冊
本の紹介(あらすじ)
ずっと前から決めていた。今度だめだと思ったらもうやめようって。
営業の仕事もうまくいかず、毎日プレッシャーに押しつぶされそうな日々に耐えられなくなった主人公の千鶴。貯金を全額おろして乗り込んだ特急の終着駅でタクシーをひろい、できるだけ遠い北の町へと向かう。
死ぬのには、ある種の勇気が必要だ。
冬を前にした北国は寒い。
たどり着いたのは、山奥の小さな「民宿たむら」。
気のよさそうな恋人に別れを告げるメールを送信し、ありったけの睡眠薬を一度に飲み込み最後の眠りにつく。
大丈夫。死んだって何もない。天国も地獄もない。闇も苦痛もない。何も考えることもない。死んだらそこで終わり。全てを終えることができるのだ。他には方法がない。もうこれ以上あの日々を続けることには耐えられない。これを飲めば、あの日々から解放される。
はずだった……。
次に目覚めたとき、彼女を待っていたのは太陽が輝く爽やかな朝だった。
まさか、自殺をしくじってしまうなんて。
死ぬつもりだったのに、死ねなかった千鶴の中に、もう死にたい気持ちは薄れていた。大自然の中で千鶴は少しづつ心を癒されていくのだが…。
生きるためにはエネルギーが必要だ。仕事や人間関係や生きる上でエネルギーを消費することはたくさんある。エネルギーが足りなくなったら、またゆっくりと集めていけばいい。
天国までの道のりはまだまだ時間がかかりそうだ。
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映画「天国はまだ遠く」
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