- 中学生・高校生の女の子に
- 生きることテーマにした
まだまだやりたいことがたくさんあるのに、「 もしかしたら私は明日、生きていないかもしれない」と考えなくちゃいけないとしたら…そんなの簡単に想像つかないけれど、よかったらこの本を読んでみて欲しい。
テッサ16歳。彼氏なし。余命わずか
テッサはどこにでもいる16歳の女の子。ボーイフレンドが欲しいし、やりたいことだっていっぱい。でも、もう癌が髄液にまで広がった。それってどれくらい悪化しているのかわからないけれど、先生はこう言った。
「ハッキリとはいえないが、やりたいことをやっておいたほうがいい」
テッサは「死ぬ前にしたいことリスト」をつくり、友だちのゾーイとやりたい放題実行していく。
・クラブでカッコイイ男の子を見つけてセックスする
・なんでもイエスとこたえる日→弟とゾーイの言うことを聞きまくる
・ドラック
・無免許で運転
そう、これは余命を宣告された16歳の女の子のエンディング・ダイアリー。
いよいよだ。そうなるとはきいていたけど、思ったよりも早かった。これでもう、学校にはもどれない。二度と。有名になることもないし、何かを後世に残すこともない。大学に行ったり、就職したりすることもない。弟の成長も見とどけられない。旅行もできないし、お金もかせげないし、運転もできないし、恋に落ちたり、家を出てアパートを借りたりすることもない。
もちろん中には危なくて褒められないものもある。好きとも思ってない男と寝ちゃったり、もする。そのへんがリアルな16歳らしいじゃないの。でも、やりたいことなのに「楽しいっ」なんて感じるはずもなく、テッサは生きるってことに絶望している。
そんな中、GOODともBADともとれる思いがけないことが起こったりして(そこは本を読んでみて)…。テッサは着実に死に向かっていく。だけれども、「生きている」ことを感じさせてくれるものの存在が、テッサに希望をもたらす。
テッサを支えるパパがすごく素敵。女の子の親として同じ状況ならこんな風に娘を見守れないよ~ってくらいあったかい。もちろん行き過ぎのテッサに手を焼くけど。
こんな本で三十路ガールは泣かない、とか思ってましたが、ラスト、死にゆくテッサが心の中で読みあげる手紙が涙もの。
受賞歴など
英国の文学賞ブランフォード・ボウズ賞受賞
映画「17歳のエンディングノート」原作
2013年4月日本で劇場公開。
【キャスト】ダコタ・ファニング、ジェレミー・アーヴァイン
映画もとてもよかったです。
本をチェックする
出版社 : PHP研究所
発売日 : 2008/9/19
単行本(ソフトカバー) : 397ページ
翻訳は、メグ・キャボット 『プリンセス・ダイアリー』の代田亜香子さん。「あたし」の一人称でテンポよく語られる文体は、もちろん女子のみなさんにおすすめ。(ザ・アメリカンティーンガールなこの訳が私は大好きですが、ただし、ここは好みが分かれそうなところ)。