湯本香樹実『夏の庭』〜死んだ人、見たことあるか

湯本香樹実「夏の庭」表紙とPOP

ぼくはお葬式に出たことがない。ぼくのおじいさんが死んだのは、ぼくが生まれる前だったし、とにかくぼくは、だれかが死んだらどんな気持ちになるかなんてこと、ぜんぜん知らないのだ。(本文より)

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本の紹介

「死んだ人、見たことあるか」

きっかけは山下のひとことだった。

おばあさんの葬式に出た山下は、そこではじめて「死んだ人」を見たという。ぼくも河辺も、「死んだ人」を見たことがない。

死んだ人を発見しよう!と河辺が言い出し、ぼくたちは、町はずれのおじいさんを観察することにした。

おじいさんの家はまるで手入れされておらず、外壁は半分はがれ、割れた窓ガラスにはガムテープで新聞をはりつけている、わけのわからないガラクタや雨水の溜まった漬物桶やら、新聞紙の束やゴミ袋が、ずらりと家をとりかこんでいる。この家にひとりで暮らしているおじいさんは、毎日コタツに横になりテレビを見ては昼寝ばかりしているようだ。

近所のおばさんたちが、おじいさんはもうすぐ死にそうだと噂していたらしい。

夏休みになり、塾や家の手伝いの合間におじいさんの観察を続けるぼくたちは、なぜか少しずつおじいさんと仲良くなり…。

失われていくものと失うことのない確かな記憶。少年たちはおじいさんとの出会いを通して、命の尊さに触れる。何度も読み返したくなる珠玉の物語。

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小学校高学年・中学生からおすすめです。夏休みの読書感想文にもいかがですか。

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