本谷有希子【生きてるだけで、愛】

芥川賞

世界は自分を中心に回るもの

本谷有希子さん初読み。

寧子は25歳。自分を真ん中に世の中がぐるぐると回ってるみたいな感じの小説だった。

本谷さんをよく知らないのでなんとも言えないのだが、寧子を著者に重ねて読んでしまう。加藤ミリヤの「生まれたままの私を」を読んだ時の感じに近い。「あたしにもっと気付いてよ」的な。

部屋に何日もこもってひたすら過眠(仮眠ではない)し、ネット掲示板で仲間とグチリあう寧子の日々がどんよりと濁った空気を醸しつつも、どこかうらやましくも見える。

だって、わたしだってそうしていたいけれど。
生きるために、落ち込んだって泣きながら外に出ていかなきゃならない。

ものすごく落ち込んでいたある日、同僚に「大丈夫?」と声をかけられた。
「大丈夫じゃない」と、私は答えた。
きっと、泣きそうに見えたのかもしれない。
「大丈夫。生きてるだけでいいんだよ」
と、彼女が言ってくれた。

そんなことを思い出させてくれた、どこか希望を感じるラストにほっとした。

気分が上がったり、下がったり。
それはわかる。
それはわかるが…
屋上で全裸で彼氏を待ち構えるなんてことは、わたしはしない、な、たぶん。←いや絶対ない。

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