北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』

仕事

  • 高校生・大学生におすすめのお仕事小説
  • 映画原作
  • 第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉
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その仕事、辛くないですか?

新卒で中堅の印刷会社に入社した青山隆。就活で希望する企業にことごとく落ちまくった自分に、内定をくれたこの会社のために少しでも役立てるように努力しよう。そんなやる気も、入社半年であっという間にしぼんでしまった。

朝6時起床し電車に揺られ出社し、9時過ぎに退社し就寝するのは日付が変わってから。何時間も眠らないうちに、また今日が始まる。成績が上がらなければ上司にどやされ、怒鳴られる。土曜日も日曜日もない。サービスという名の残業だけが増えていく。

この半年、体調はずっと最悪だ。

自分はなんのために働いているのかー。

「会社」という現実に押しつぶされそうになる。

それでも仕事を辞められないのは、ここを辞めても次がないからだ。

心も体も疲れきった隆は、ある日、駅のホームで線路にふらりと体が落ちそうになった。その時、だれかが隆の腕を強く掴んだ。

「久しぶりやな!俺や、ヤマモト!」

隆の小学校の同級生だという「ヤマモト」に心あたりはなかったが、なにげない会話を交わす気さくさに隆は気持ちを救われた。息詰まる日常に風を吹き込むようなアドバイスをくれるヤマモトの存在は、隆を少しづつ変えて、かけがえのないものになっていく。

ところが調べてみると、そんな同級生は存在しないことがわかる。

ヤマモトはいったい何者なのか⁉︎

すっきり読めて、心にじーんとしみわたる。

働きすぎの日本人に贈るハートフル小説。

サザエさんシンドローム警報

「サザエさん」のエンディングを聞くと、泣きたいほど憂鬱になることありませんか。

それは、サザエさんシンドローム。

日曜日の夕方に放送される「サザエさん」のエンディングが流れる時、それは日曜日の終わりを告げる合図なのです。

夕飯を済ませて、就寝して、目が覚めたらもう月曜日。また憂鬱な一週間のはじまり…そんな風に感じたとしたら、それは体からのSOSサインです。

「学校に行きたくない」「仕事が辛い」という思いを無理に閉じ込めて自分を追い込んでも、いい結果にはつながりません。

改善できる環境なら取り組み、改善できない環境であれば、無理せずに休んで。

仕事なら辞める勇気も必要です。

最近は、大学生が陥るブラックアルバイトの話題もよく耳にします。無理なシフトで学校の単位を落とすなど、本業の学生生活を脅かすアルバイトも時折あるそうです。不審な点は、しっかり確認すること、断る勇気を持つこと、第三者に相談することなどできることはあるので、冷静に対応してくださいね。

こうした現状があるということを知っておくことも大切です。

映画「ちょっと今から仕事やめてくる」原作

2017年5月劇場公開

【出演】

ヤマモト・・・福士蒼汰

青木隆・・・工藤亜須加

五十嵐(先輩)・・・黒木華

山上(上司)・・・吉田鋼太郎

キャッチコピーは「すべての働く人が共感して泣いた」

この物語に泣けるほど共感するのは”働きすぎる人”あるいは”働かされている人”だろう。

原作では、五十嵐先輩役を黒木華ちゃん演じる女性の設定に変えています。これまでの黒木華ちゃんのイメージともちょっと違っていていいですね。上司役の吉田鋼太郎さんも、原作よりもやり手で怖いイメージ。映画だけでもじゅうぶん楽しめます。

ブックデータ(受賞歴など)

◆第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉

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