- でも僕は優ちゃんを失いたくない。中学生の隼太が守りたかったものはんだろうか。
- 瀬尾まいこが描く「家族」の形
本の紹介(あらすじ)
ママの再婚相手の優ちゃんは歯科医師でカッコよくて、優しい。
そして、時々キレて、僕に暴力をふるう。
ママと僕と優ちゃんと…僕はこの幸せを失いたくないから、誰かに話すつもりなんてない。
中学2年生の隼太の、戦いと成長の日々をつづる。
僕は、本当に純粋に「家族」の幸せを願っている。
そのために、自分を犠牲にすることがあっても。
そうして、「家族」を幸せにすることが、自分の役目だと思っている。
それって、大人が子供たちに「してやってる」と勘違いしていることだったりもするから皮肉。
どうしようもない大人を恨むことができたらもっと簡単なのにね。
病気が治って、一緒に暮らせたら幸せになれるって信じてるんだからさ。
ここにあるのは、大人のふがいなさや子供が感じている大人の社会へのやるせなさ。
明るくコミカルな物語が多い瀬尾さんの中でも、珍しく児童虐待を扱っている小説です。瀬尾さんファンの中でも好みがわかれる作品ではないでしょうか。「正義」という言葉ではすっきりを割り切れない10代の少年や母親の気持ちがよく描かれている作品だと感じます。
本をチェックする
文庫本の表紙の雰囲気がちょっと違うんだよね。単行本の方が好みです。
続けて読みたいおすすめの本
↓ 同じ作家の本を読みたいなら ↓
面白かったらこの本もおすすめ