村山早紀『コンビニたそがれ堂』~さがしものが見つかる不思議なコンビニ

『コンビニたそがれ堂』
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大事なものはコンビニにある

毎日のようにコンビニに寄る。

朝には、パンを買い、コーヒーを買う。

帰りには、甘いおやつと時々缶チューハイを買う。

風邪が流行していると言えばマスクを買い、

すっぴんで出てきてしまった早朝には眉ペンを買う。

なんでも揃う「便利な」あのコンビニにも、置いていないものはたくさんある。

ひょっとして、あなた。

大切なものをさがしているんでしょう。それならセブンイレブンにもローソンにもないわよ。

風早の街の駅前商店街のはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりで、夕暮れ時に現れることがあるという不思議なコンビニ「たそがれ堂」。

そこでは、この世に売っているすべてのものが並んでいて、

そこでは、この世には売っていないはずのものまでが揃うという。

銀色の髪に、切れ長の金色の目をしたお兄さんがいるでしょう。

大事なさがしものなら、必ずここで見つかるはず。

みんなのさがしもの

*もくじ*

コンビニたそがれ堂/手をつないで/桜の声/あんず/あるテレビの物語/エンディング~たそがれ堂~

コンビニたそがれ堂

クラスでは硬派なイメージで通している雄太は、本当は動物が好きな優しい男の子。ある雨の日、捨て猫に声をかけているクラスメイトの美音を見かけます。猫アレルギーで飼えないという美音の代わりに、雄太は猫を連れ帰り、ふたりは仲良くなるのですが…。

手をつないで

えりかのママはふだんは明るくて優しいのですが、ときどき、突然怒ったり、涙ぐんだりすることがあります。その朝もママはふきげんで、学校から帰ると、えりかの大切にしているリカちゃんを捨ててしまったと言います。必死に探しまわるえりかは、気が付くと見慣れないコンビニの前にいました。リカちゃんは、えりかにある女の子の話をします…。

桜の声

ラジオ局でアナウンサーをしている桜子さん。お弁当でも買おうかしらと思っていたところに、謎めいたコンビニが現れます。店内に流れるケツメイシの「さくら」という曲にふと耳を止め桜子さん。さあ、ここはさがしものが見つかる不思議なコンビニたそがれ堂。桜子さんのさがしものって何だったのでしょうか( *´艸`)

あんず

やせた小さな白猫が、コンビニたそがれ堂にやってきました。お客様は人間だけじゃないみたい。赤いちりめんの首輪をしています。まだ若い猫ですが、じつは重い病気なのです。白い猫は、さがしものを見つけました。それは、にんげんになれるキャンディでした…。あんずには、どうしても会いたい人がいたのです。猫が好きな人、ペットを飼っている人にぜひ読んで欲しいお話です。

 あるテレビの物語

季節は春、赤い大きなランドセルをしょった小さな女の子が、コンビニたそがれ堂にやってきました。女の子は「テレビさん」を探していると言います。テレビさん…?それは女の子にとってとても大切なテレビでした。

どんなものでも売っている不思議な魔法のお店・コンビニたそがれ堂。心がほっこりと温かくなる、寒い朝のホットミルクのような1冊です。

国語入試問題にも出た本

私立中学校国語入試問題に出典

【2015年】頌栄女子学院中学校…「あんず」

【2013年】神田女学園中学校…「コンビニたそがれ堂」

この本を読んで、すぐにほかのシリーズも購入したお気に入りのシリーズ( *´艸`)

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