河合 二湖『深海魚チルドレン』~だれにも話せない悩みと向き合う

『深海魚チルドレン』
  • 中学生の女の子におすすめ
  • 人に話せない悩みを抱えている人に

誰にも話せない悩み

中学生になった真帆は、ある悩みを抱えていた。休み時間にはきちんとトイレに行く。それなのに、授業の1時間が長くてトレイが我慢が出来なくなるのだ。だれにも相談できずに、ひとりで悩みを抱えていた。ある日、公民館に出かけた時のこと、丘の裏に立つ小さな喫茶店“深海”を見つけて… 。

トイレが近い子だった私は、真帆の悩みがよくわかる。体質なのだと割り切るようになってからは、悩みは「ちょっと困ったこと」と捉えられるようになり、だいぶ心が軽くなった。
まわりの人から見たら「悩み」にもならないだろう、そんな風に悩みを抱えている人はいるはず。「気のせい」だとか「そんなことで悩んでるの?」なんて言われるんじゃないかと思うと、人には相談できなかったりする、真帆はそんな女の子だ。

だれもが明るいところに行きたいわけじゃない。
深海が落ち着く、深海でしか生きれない人もいる。

理解してくれる人の存在って大切。

著者・河合二湖

第49回講談社児童文学新人賞を受賞した『バターサンドの夜』でデビュー。中学生の女の子に読んで欲しいおすすめの作品が多いです。

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