水野宗徳『さよなら、アルマ 戦場に送られた犬の物語』

小説文学
【BOOKS雨だれ】中学生におすすめ50冊!
戦争・平和について考える本
動物が好きな人に。悲しい物語

第二次世界大戦中、およそ10万頭の犬たちが、軍犬として戦場に送られた。その事実は意外と知られていない。この物語は、1枚の写真から生まれたフィクション。

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 実在する一枚の軍犬の写真から生まれた物語

第二次世界大戦中――。

朝比奈太一は、「お前は親が名前を付けるとき、点の位置を間違えたのだ。お前の本当の名前は犬一だ」と言われるほどの犬好きのやさしい男。

ある日、「うちじゃ飼えないから」という犬を断れずに預かることになった犬がアルマだった。育ちのよい立派なシェパード犬であるアルマに芸当を覚えさせる太一。その飲み込みのよさに、太一もアルマに夢中になっていく。

やがて戦況が厳しくなってくると、国は飼い犬や猫の殺処分を唱えるように。太一はアルマを守るために軍用犬の検査を受けることに…。

この物語は、1枚の写真から生まれたフィクション。モデルとなったアルマは、この本の最初のページに登場する、凛々しい出征写真。

犬は人間と一番仲のいい動物だ。

ペットとして一緒に生活をしている犬だけでなく、実は犬に助けられている場面も多い。嗅覚に優れて警戒心と忠誠心の強い犬は、警察犬や麻薬犬、救助犬など、人間の大事なパートナーとして活躍している。

第二次世界大戦中にもまた、およそ10万頭と言われる犬たちが、軍犬として戦場に送られ、多くの犬が傷つき、命を奪われている。かろうじて生きながらえた犬たちもいたが、終戦後、日本に戻ってきた犬は一匹もいなかったという。

その意味するところを考えると、怖いけれど。

ドラマ原作

NHKスペシャル「さよなら、アルマ ~赤紙をもらった犬~」 | NHKドラマ

著者の水野宗徳は放送作家であり、「おっぱいバレー」の作者でもある。綺麗な表紙に惹かれ手に取ったが、胸に迫るいい物語が読めた。ハンカチをご用意してからお読みください。

小学生向けに集英社みらい文庫からも出ています。

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