- 中学生・高校生向け。スポーツが好きな人に。
- 読書感想文課題図書(高校生の部)
あらすじ
眞家早馬(まいえそうま)は、高校三年生。陸上の長距離選手として期待されているが、右膝の骨折という大けがを負い、いまはリハビリのため陸上を休んでいる。早馬の通う高校の陸上部は、名門校として知られ、ひとつ年下の弟・春馬も同じ陸上部に所属している。
ある日、ひょんなことから調理実習部の存在を知った早馬。たったひとりの部員・都の手伝いをすることになったのだが、いつのまにか料理の世界にのめりこんでいく。
一流の陸上選手を目指すには限界を感じた早馬は、陸上を引退し、料理で弟の春馬をサポートすることに…。
と、ここまでのストーリーを読むと、「陸上を引退して料理に没頭する男子高校生」の物語のようだが、話はそう簡単ではない。
弟・春馬の才能への嫉妬、自分の限界を感じるくやしさ、葛藤、描かれているのはやはりスポーツを愛する心と成長の熱い物語。いい意味で裏切られ、後半は胸につまるシーンも。
駅伝の疾走感あふれるシーンもよみどころです。
おすすめポイント
スポーツ×料理小説
この小説は、よくある爽やかスポーツ青春小説をイメージすると少し違った印象を受けるかもしれません。
スポーツと料理。
スピードを競う強い精神力と、素材の声を生かすあたたい手仕事。
対極にあるように思えるふたつの要素が、この物語の主軸になります。食事は体つくりの基本、料理はスポーツにおいてとても大切なポイントだということにも気づきます。
これまでスピードを競うことをスポーツだとおもっていた早馬ですが、料理をすることで、スポーツを別の面からとらえるようになります。
スポーツが好きな人に
箱根駅伝の出場を目標に、一流選手をめざしていた早馬が、限界という壁にぶつかった時の葛藤は、スポーツをしている人なら経験したことのある人もいるのではないでしょうか。好きなこととできることは違う。そのスポーツをよく知っているからこそ、努力だけで手に入れられないものがあることを知っているのでしょう。
スポーツをしている人、スポーツが好きな人におすすめです。
読書感想文課題図書
第62回全国青少年読書感想文コンクール課題図書(高校生の部)です。
読書感想文にもおすすめです。
本をチェックする
出版社 : 小学館
発売日 : 2015/11/25
言語 : 日本語
単行本 : 301ページ