文庫: 224ページ
出版社: ポプラ社
発売日: 2013/5/1
- おすすめ:中学生のみんなへ
- 朝読書にもおすすめの連作短編集
- 春へ向けて冬におすすめの本
春に願いを
北国の中学校を舞台にした連作短編。
少し遅い桜の季節にはじまった物語が、季節のうつろいと共に語り手を変え進んでゆく連作短編。
語り手は中学生だけじゃないってところもポイントだったりする。
みんな順風満帆というわけにはいかなくて、悩みを抱えたり、小さい壁にぶつかっていたりする。コメディタッチに明るく閉じる物語もあれば、この先どうなるのだろうとか細い思いで読み終える物語もある。
「いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもない」って歌の歌詞が浮かんだ。ラストは卒業のシーンだけれど、一年の始まりにもおすすめしたい。
お気に入りは、パパはミュージシャンの岡村靖幸だという母娘の物語、「二年二組・末次杏奈」。こういうお母さん嫌いじゃない。でもきっと自分の身内にいたら、もやっとさせられるだろうなっても思うけど。
著者の加藤千恵さんは、10代でデビューした歌人でもあります。短歌と短編を合わせたシリーズは、私もお気に入り。そちらも合わせておすすめです。
著者・ 加藤千恵
1983年北海道生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。現在は、小説、詩、エッセイなど、様々な分野に活躍の幅を広げている
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もくじ
一年一組・嵯峨知咲
三年二組・小久保雄飛
コンビニパート・森住響子
二年一組・鳥井悠乃
二年二組・末次杏奈
一年二組・村中槙人
学校司書・牧野実知花
三年一組・竹部真織
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