- 中高生に読んで欲しい「いじめ」をテーマにした本
- 映画化。吉川英文学賞受賞
あらすじ
<親友になってくれてありがとう>と、ぼくの名前を書きのこし、あいつは自殺した。
遺書に残された名前は4つ。
いじめをしていた三島と根本、フジジュンが好意を寄せていた中川さん、それからぼく。
でもぼくは、フジジュンのことを親友だと思ったことはなかった。「親友だったら、なんで助けなかった」とあのひとに言われても、何も言い返せない。なぜフジジュンは、ぼくの名前を遺書に書きのこしたのか?いじめを止めることのなかったぼくたちには、この時まだ、自分が背負わされた十字架の重さに気づいていなかったー。
失う苦しみよりも重い十字架を、知っているだろうか。
許されないことの苦しみを背負い続けることのないように。
十字架の重みは、それを背負ったことのある者にしかわからない。
胸に刺さった傷は、すごく痛くて、なかなか立ち直れなかったり、致命傷になることだってあるけれど、生きていればいつか癒すこともできる。
誰かを失ってしまった十字架は、一度背負ってしまったらもう降ろすことはできない。歩いているかぎり、生きているかぎり、本当に降ろしてしまうことはない。
ブックデータ
吉川英文学賞受賞
映画「十字架」原作
2016年2月劇場公開
【監督】五十嵐匠
【出演】小出恵介、木村文乃、富田靖子、永瀬正敏
著者プロフィール
重松清
1963年岡山県生まれ。
出版社勤務を経て、1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。学校を舞台に10代の心情を描いた小説も多く、多くの作品が映画化やドラマ化されベストセラーを生み出している。国語入試問題によく出典される作家としても、10代にお薦めしたい作家。
【主な受賞歴】
『ナイフ』坪田丈二郎文学賞受賞
『エイジ』山本周五郎賞受賞
『ビタミンF』直木賞
『十字架』吉川英治文学賞
重松清の本をチェックする
おすすめの本をチェック
重松清さんの話題作・新刊を紹介します。
この本を読んだみんなの感想