林慧樹『いじめ 14歳のMessage』

いじめ | 中学生


著者が小学校の時のいじめ体験をもとに書いたこの小説は、パレットノベル大賞の最終選考で悲しい衝撃と議論を呼び起こしました。

  • 小学校高学年から中学生に
  • いじめをテーマにした本
  • 著者の経験をもとにした小説

友だちをかばったら次の標的は…

彗佳はクラスでも明るい中学2年生の女の子。

クラスでリーダー格の陽子がはじめたいじめのターゲットは千夏だった。クラスから無視されゴミのように扱われる千夏を見ていられない彗佳は、勇気を出していじめをやめるように言うのだが…。友だちをかばったことで、次に自分がいじめのターゲットになってしまう。

そして、 いじめはだんだんとエスカレートして…。

それは救いのない世界だったのか

第18回パレットノベル大賞の最終選考で、救いのないラストに議論を呼び起こしたそう。これが大人が書いた作品ならば、こんな結末は論外で、読むに値しない本と酷評されるだろう。

著者はきっと、ほんわかとした、それでいて凛とした心をもった彗佳のような女の子なのだろう。やさしく語りかけるような文章にあらわれている。いじめを止めようとする勇気を持つ少女が、それ故に辛い立場に立たされるという現実。この物語が、著者自身の経験から生まれたものだということを忘れてはならない。

この物語は、命を失うというとても悲しい結末を迎える。
希望もなにもない。

14歳たち目に映る世界は、狭く小さい。追い込まれてしまったら、こんなにも救いようがないところまでアッというまに来てしまう。そうした現実が確かにあることを大人も受け止めなければならない。

著者は悲しい結末を描くことで、命を奪うことの重みを伝える。そして、著者自身がそのつらい状況を乗り越えていま物語を書くことで、「辛くても命を失わないで欲しい」というメッセージも込めている。

受賞歴など

◇第18回パレットノベル大賞審査員特別賞受賞

こちらの記事も読まれています