- 卒業・入学・新しい世界に踏み出す人に贈りたい
- 欧米で人気のドクター・スースーの絵本
- 高学年・中学生へのよみきかせにも
大丈夫、ぐんぐん進め!
新しい世界へ踏み出すのは、だれでも不安なもの。
でも心配しないで。その不安が的中しても、きみは進んでいけるのだから。
『きみの行く道』は、そんな風に背中をぐんと押してくれるような絵本。
おめでとう。
今日という日は、まったくきみのものです。
きみのゆくての、あの大きな世界に向かって
いざ、旅立ち!
新しい世界へとふみだしたきみ。
行く先々でいろんなことが起こります。
ぐんぐんのぼったり、ひっかかったり、ぶつかったり、道はでこぼこになったり、道しるべもない。
時にやみくもに走り出し、楽しいことがあったり、独りぼっちになることも。
でも、きみはすすむ。
空が荒れてきても きみはすすむ。
敵がうろついても きみはすすむ。
たくさんの川をこえて すすむ、すすむ。
手がいたんでも、すすむ。
くつに水がしみてきても、すすむ、すすむ。
やわらかいパステル調のぼんやりとした色合い。
現代のマザーグースと言われるドクター・スースーが86歳の時に出版したこの絵本は、ニューヨークタイムズのベストセラーに二年以上登場したベストセラー。
絵本のページのように、人生の景色はパステルに明るく輝いたり、ブルーな鬱を帯びたりして、それをくりかえす。でも、どんな時も「きみ」は変わらずに黄色い服のままぐんぐんとすすむよ。
ブックデータ
ハードカバー: 1ページ
出版社: 河出書房新社
ISBN-13: 978-4309204888
発売日: 2008/3/1
著者・ドクター・スースー
ドクター・スースーはアメリカをはじめ英語圏ではとても有名な絵本作家です。代表作は『キャット・イン・ザ・ハット』や『ふしぎな500のぼうし』など。彼の人気の秘密をさぐるこんな本も出版されているくらい、その作品は世界中の子どもたちに読まれ、愛されています。
おまけ:『少年は残忍な弓を射る』のケヴィンも読んでます
悪魔のような残忍な少年の成長記を描いたライオネル・シュライヴァーの『少年は残酷な弓を射る』の中にも、少年・ケヴィンの嫌いなもののひとつとして、ドクター・スースーの絵本が登場します。
あの子は、ライスプディングがきらいだった。シナモンをかけたのも、かけてないのもきらい。ドクター・スースーの絵本もきらい、わたしが図書館で借りてきたマザーグースの音楽CDもきらい。ケヴィンの語彙は非常にかたよっていて、きらいなものだけは驚くほどたくさんいうことができた。
母親にとって決して「いい子」ではないケヴィンがきらいなものは、およそ子どもが好きであろうと思われるものと言える。ここでは、アメリカの一般的な親子が楽しむ絵本の代表として、ドクター・スースーの絵本が皮肉な登場となっている。それほどドクター・スースーの絵本は、多くの親子に愛されているということかな。ケヴィンとエヴァの母子以外には。