八束澄子『オレたちの明日に向かって』

『オレたちの明日に向かって』
  • 小学校高学年向け
  • 中学生のジョブトレーニング(職業体験)をテーマにした物語

小学校高学年から中学生におすすめの、職業体験をテーマにしたちょっと変わったミステリー。

保険屋さんのミステリーを解決!

勇気は、自分のことをぱっとしないと思っているような、ごくごく普通の中学生。勇気の学校では、ジョブトレーニングという職業体験を行っている。勇気の母がいつもお世話になっている保険屋さんの今井さんが、ジョブトレーニングの講師として学校にやってきたことをきっかけに、勇気は、今井さんの保険屋をジョブトレーニング先に決めた。

勇気は今井さんと一緒に事故現場をまり、不審な事故に遭遇したりする。事件の真相を探ったりしながら、保険屋という仕事に少しづつ興味を持ち始める。

ジョブトレーニングや職場体験を、キャリア教育の一環として取り入れている学校も多い。文部科学省によると、子どもたちは「将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現する力」を求められている。お勉強はあくまでも将来仕事につくための手段のひとつにすぎない。いくらお勉強ができても、将来仕事に就けないようでは困る。そこでジョブトレーニングである。

ごくふつうの中学生が、不可解な交通事故の謎を暴くミステリーとしても楽しめるだけでなく、保険屋の仕事がわかりやすく、興味深く描かれていて、「ひ〇つシリーズ」のようなテイストもあり。

勇気のように、周りと比べて「自分には何もない」と落ち込むこともあるかもしれないが、誰にでも、自分に向いている仕事があるはず。

私立中学校国語入試問題に出典

【2018年】城北埼玉中学校

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