朝井 リョウ『世界地図の下書き』

朝井リョウ『世界地図の下書き』
  • 小学校高学年から読めます
  • 児童養護施設を舞台にした物語
  • スタジオジブリ・近藤勝也さんのイラスト
  • 第29回坪田譲治文学賞

本の紹介

児童養護施設「青葉おひさまの家」は、小学生から高校生までの子どもたちがいる。さまざまな事情で、親と暮らすことができない子どもたちだ。

事故で両親を亡くした大輔は、一旦叔父夫婦に預けられたものの、訳あってこの「青葉おひさまの家」にやってきた。

班の中で一番年上の佐緒里、学校でも同じクラスの淳也、その妹の麻理、時々ママが会いにくる美保子、みんなとの関わりの中で大輔も少しずつ心を開いていく。

そして、もうすぐこの施設を去る仲間のために、大輔たちはある「作戦」を計画します。

そして、ここでの暮らしの中で、それまで気づかなかったことが見えてくる。

まわりのみんなと同じように暮らしていても、同じではないこと。何かをしてもらうだけではない、だれかのために何かをしてあげたいという気持ち。うまくいかないこと、それからうまく生きていくということ。

小さい体と心で、まっすぐに物事をとらえて生きている子どもたちのたくましさがありました。

朝井リョウさんの直木賞受賞後第一作として注目されました。これまで同年代の等身大を描いた小説が多かった朝井さんですが、この作品で初めて子どもたちを主人公にした小説を書きました。小学校高学年には少し長いかな?高学年からぜひ挑戦してみて欲しい作品です。

受賞歴など

第29回坪田譲治文学賞受賞

★スペシャルムービー

YouTubeで公開されている『世界地図の下書き』の紹介動画です。スタジオジブリ・近藤勝也さんの挿絵を中心にした柔らかい映像。

ブックデータ

文庫: 368ページ
出版社: 集英社
発売日: 2016/6/23

インタビュー&レビュー

『世界地図の下書き』関連インタビューやみんなのレビュー。(外部リンクです)

「世界地図の下書き」朝井リョウ|集英社
「生きる世界は他にもある」朝井リョウが『世界地図の下書き』で伝える、「逃げる」ことの意味|ダ・ヴィンチニュース

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