- 中学生から読める芥川賞候補作
- 異文化や言葉について考える
言葉というツール
言葉がなければ心を伝えることができない。
しかし、言葉があればそれができるかというとそうでもない。
言葉は道具と同じだ。
どう使うかはとても重要だが、まずは道具を持たなければ始まらない。
(BOOKデータベースより)
オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の子どもを育てている。
母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。
そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。
サリマのストーリーと、「ハリネズミ」が書く恩師への手紙とが交互に書かれて物語は進む。
異国を舞台に「言語」を問う作品は、日常で似たような経験がある人とない人とで乾燥が分かれそう。高校生にはぜひ挑戦してみて欲しい作品。読書感想文にも、おすすめ。
英語が話せないサリマですが、仕事に必要な言葉はそれなりに身に付くので、働く上で英語が話せないことは、実はさほど支障はない。それでも、なぜサリマは英語を学ぼうとしたのか。言語を習得していく中で、サリマが少しづつ変わっていく点に注目しながら読んでみて。
ストーリーが短くまとめられていて、読みやすく、いい作品。各文学賞の受賞やノミネートが続き、とっても気になっていた作品。大江健三郎賞は、翻訳され海外出版もされるので、今後海外でも注目されるかもしれません。映画化希望です。
受賞歴など
第29回太宰治賞
第8回大江健三郎賞
第150回芥川賞ノミネート
2014年本屋大賞第4位
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出版社 : 筑摩書房
発売日 : 2013/8/30
単行本 : 176ページ
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